漁業法(抜粋)

第1章 総 則
(この法律の目的)
第1条 この法律は、漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、もつて漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。
この法律において「漁業者」とは、漁業を営む者をいい、「漁業従事者」とは、漁業者のために水産動植物の採捕又は養殖に従事する者をいう。
(適用範囲)
第3条 公共の用に供しない水面には、別段の規定がある場合を除き、この法律の規定を適用しない。
第4条 公共の用に供しない水面であつて公共の用に供する水面と連接して一体を成すものには、この法律を適用する。

第4章 漁業調整

(漁業調整委員会の指示)

第67条 海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権又は入漁権の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めるときは、関係者に対し、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁業者の数に関する制限、漁場の使用に関する制限その他必要な指示をすることができる。
前項の規定による海区漁業調整委員会の指示が同項の規定による連合海区漁業調整委員会の指示に抵触するときは、当該海区漁業調整委員会の指示は、抵触する範囲においてその効力を有しない。

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都道府県知事は、海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会に対し、第1項の指示について必要な指示をすることができる。この場合には、都道府県知事は、あらかじめ、農林水産大臣に当該指示の内容を通知するものとする。
第1項の場合において、都道府県知事は、その指示が妥当でないと認めるときは、その全部又は一部を取り消すことができる。
第1項の規定による指示については、第11条第6項の規定を準用する。この場合において、同項中「都道府県知事」とあるのは「海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会」と読み替えるものとする。
前項において準用する第11条第6項の規定による指示に従つてされた第1項の指示については、第4項の規定は適用しない。
農林水産大臣は、第5項において準用する第11条第6項の規定により指示をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事に当該指示の内容を通知しなければならない。ただし、地方自治法(昭和22年法律第67号)第250条の6第1項の規定による通知をした場合は、この限りでない。
第1項の指示を受けた者がこれに従わないときは、海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、都道府県知事に対して、その者に当該指示に従うべきことを命ずべき旨を申請することができる。
都道府県知事は、前項の申請を受けたときは、その申請に係る者に対して、異議があれば一定の期間内に申し出るべき旨を催告しなければならない。
10 前項の期間は、15日を下ることができない。
11 第9項の場合において、同項の期間内に異議の申出がないとき又は異議の申出に理由がないときは、都道府県知事は、第8項の申請に係る者に対し、第1項の指示に従うべきことを命ずることができる。
12 都道府県知事が前項の規定による命令をしない場合には、第11条第6項の規定を準用する。


第8章 内水面漁業

(内水面漁場管理委員会)

第130条 都道府県に内水面漁場管理委員会を置く。
内水面漁場管理委員会は、都道府県知事の監督に属する。
内水面漁場管理委員会は、当該都道府県の区域内に有する内水面における水産動植物の採捕及び増殖に関する事項を処理する。
この法律の規定による海区漁業調整委員会の権限は、内水面における漁業に関しては、内水面漁場管理委員会が行う。

第10章 罰 則
第139条 第67条第11項(第68条第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づく命令に違反した者は、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
第140条 第138条又は前条の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船又は漁具その他水産動植物の採捕の用に供される物は、没収することができる。ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。